TEAC C-1mkIIの修理をやっています

TEAC C-1のテープトランスポート

ご無沙汰しております。イベントの開催がめっきりなくなってしまって新刊を作る気力もなく、ただただ時間だけが経ってしまいました。

これではまずいと思いまして、はるか昔に修理したティアックのC-1mkIIを再び修理しています。このセットは基本的に頑丈ですがゴム部分に難があり、特にピンチローラーは溶解してベトベトになりがちです。

今回の修理ではベルト類の交換を含むメカの完全分解、清掃して組み直しますが、ピンチローラーは以前オークションで入手したリビルド品に交換してみました。若干真円度がよろしくないように見えますが、果たして走行性能はどうなるのか? これから粗調整をした後、追い込んでみます。

ところでC-1、C-1mkII用のピンチローラーはこれまで2種類が確認できていて、1つはよく見かける自動調心ベアリングがローラー金型内部に圧入されている(以下内蔵型)もの、もう1つはローラー金型自体は単なる筒となっていてリブ付きのカラーにベアリングが圧入されている(以下外付け型)ものです。外付け型はこのメカの母体となった同社のカセットデータレコーダーMR-10用? という話を聞いたこともありますが、私はMR-10の現物を見たことがなく、真相は闇の中。かつてGeocitiesにとてもC-1について詳しく書かれていたWebサイトがあり、そこの管理人さんだったら、何か知っているかもしれません。

夏コミありがとうございました

夏コミに参加された皆様おつかれさまでした。

今回は落選してしまい途方に暮れていましたが、友人のご好意により何とか新刊を頒布することができました。スペースは『仮設住居1』主宰の矢向さんのところ(4日目の西A49b)でした。ありがとうございました。
なお委託はメロンブックスさんで始まっています→■■■

実は表紙を開けてすぐ、カラーページのところにサークル初のペーパーを挟んでおきました。その中身ですが……

これまで当サークルはアナログテープ録音機だけを扱ってきましたが、これからはデジタルレコーダーも取り上げていきます! というお知らせでした。夏コミに参加する直前の8/11、唐突にDTC-1000ESが2台届きまして……どちらも不動(テープを入れるとCaution表示)で、俄然直したくなったのがその理由です。

これまでDATは調整用の基準テープや調整時に使う治具の入手が難しいと聞いていたことからあえて避けていました。でも来てしまったので、そういうしがらみは捨て去ってやってみようと思っています。早ければその成果は冬コミでお見せすることができるのかも……??

GX-635Dのウィークポイント(その1)

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GX-635Dの修理を進めていくと、このデッキ特有のウィークポイントが見えてきた。1つ目は3つあるスライドスイッチ。画像のものはフォワード・リバースのヘッドを選択する一番重要と思われるところだが、分解したところ汚れがひどく、接点は酸化が進んで真っ黒な末期状態であった。このスイッチは接点の上側に接点を動かすためのプラスチック製のレバーがついているので、分解せずに接点復活剤を吹きかけても接点に届かないし、レバーを痛めてしまう。そこでカシメをほどいて分解して洗浄した。

具体的には接点磨き→洗浄→戻しという流れで作業を行って、導通部分はテスターで0Ωを指すようになった。これでスイッチに起因する不具合は解消された。

アカイはなぜこの部分にリレーを使わなかったのか?本当に不思議な設計であると思う。仮にも10万円台後半の高級なデッキなのに、金メッキもされていないスライドスイッチでヘッドの信号を切り換えていれば、発売後数年でかなりのクレームになったのではないか?GX-635Dでフォワードは聞こえるけどリバースは聞こえない(または逆)症状が出た場合は、かなりの確立でこのスイッチが原因となっていそうだ。

現在の修理

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AKAI GX-635Dの修理をやっています。デッキがうちに来た時点ではメカ動作OK、アンプも動いていそうという状態で、音出しをする前にパネルを開けてみると中は数十年分のほこりが蓄積してボリュームとスイッチはガサガサ、ICの足は錆びて真っ黒だったので全て分解してクリーニングすることにした。

一番面倒だったのは基板の汚れで、ほこりがこびりついていてハケや溶剤をスプレーしただけではどうにもならなかったので、部品を全て取り外した上で無水アルコールとフラックス除去剤でクリーニング。手間と時間はかかるものの、ほとんどの汚れとゴミが落ちてきれいになる。これから外した部品を元に戻していく。かなり骨の折れる作業なので間違えないように気を使います。